重ねる罪3

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課長の話したいことが完全に仕事の話だったことに、少しガッカリしてしまったけれど、思うほどダメージは大きくない。 それは、予想外の『異動』という伏兵の出現の深刻さにかき消されたせいなのか・・・ また再び同じ職場で課長に会える可能性が生まれた嬉しさなのか・・・ 「ごめんね、驚いたよね」 「あ、はい。少し・・・」 驚き過ぎて頭の中は混乱中。返事を探してみるけれど、どう考えても今すぐには無理だ。 「お正月休みが明けるまで考えてくれていいよ」 「はい・・・」 「待遇とか、不安とか、疑問があれば勤務時間以外でも携帯に連絡してくれて構わない」 「はい・・・」 同じ系列の銀行だから、そんなに考える必要無いんじゃない?って、思うところだけれど、そう簡単にはいかない事情が私にはある。
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