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志穂さんにメールの返信をした直後だった。
蒼人からの着信。
きっと、お泊まり会の話だろう。
「もしもし?」
私も、お泊まり会の手土産について相談しようと思っていたから、ちょうど良かった。
「あぁ、オレ」
「うん。お泊まり会のことでしょう?」
「まぁ、それもなんだけど」
ん?
どうやら、蒼人の話はお泊まり会のことだけでは無いようだ。
「どうしたの?」
「今夜、空いてるか?」
いつものように部屋へ来ないかという誘いだろうけれど、今日は大晦日で母も家に居る。
毎年、大晦日の夜は近所の小さな神社に母と二人でお詣りに行って年を跨ぐのが恒例だし、それも今年が最後だろう。
「ごめんね。今年は・・・」
私は蒼人に行けない理由を説明した。
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