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「ねぇ。蒼人ぉ」
志穂さんが蒼人の隣に座り、向かいのソファーに私が一人座る。
何故だろう。今日の二人の距離は妙に近い。
気のせいじゃない。
だって、いつもは志穂さんは私の隣に座って、蒼人が一人で座るのに・・・。
私、余裕だったはずなのに、どうしてこんなに心をかき乱されてるんだろう。
蒼人の膝の上に、志穂さんのしなやかな手が乗せられる。
そしてゆっくりと膝を撫でた。
「・・・」
二人だけの会話が続いているけれど、私はその会話を聞く余裕すらない。
私は志穂さんの手の動きから目が離せないでいる。
そしてそれは、膝から徐々に太股のほうへ・・・。
やめて・・・
近寄らないでよ・・・
触らないでよ・・・
蒼人は・・・
蒼人は私のことを好きなんだから!
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