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ガタッ
我慢しきれなくて、衝動的に立ち上がってしまった私。
「痛っ!」
不用意に足をテーブルにぶつけてしまった。
「大丈夫・・・?」
二人が驚いてこちらを見上げる。
し、しまった・・・。
瞬間、我に返った私。
無意識の行動だから、この後自分がどうしたらいいのか分からない。
「ご、ごめんなさい。大丈夫。仕事のことで連絡入れないといけないのに、忘れてて。今思い出しちゃって。ちょっと電話掛けてきます」
とにかく一旦席を外そう。
私は咄嗟に嘘をついてバックを握り締め、急いで部屋を出て玄関へ向かった。
私のバカ。何やってるの。
触り方が、いつもよりも生々しく感じられただけじゃない。
それに、考えてみれば蒼人は私のものじゃないんだから、とやかく言う権利も無い。
落ち着こう・・・
私は壁にもたれ掛り、大きく一つ深呼吸をした。
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