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「どうしたのサラちゃん。黙り込んじゃって」
「えっ」
考え込んでいた私の顔を志穂さんが覗き込む。
「何か心配事でもあるの?」
表面上は、私を気にかけているだけのようだけれど、その目の奥にハッキリと見てとれる彼女の優越感。
この人、私に見せつけるために、わざと蒼人に触れてるんだ。
今夜いつも以上にボディータッチが多いのは、私の気のせいじゃない・・・
確信犯だ。
そして彼女は、自分のほうが蒼人に愛されてると思っている。
それが、優越感が漂う理由。
確かに少し前までは、蒼人はあなたを好きだった。
だけど今、蒼人はもうあなたに縛られてはいない。
あなたという呪縛から蒼人を救ったのは・・・私よ。
だから今、その優越感は、あなたが感じるべきものじゃない。
今は、私のほうが蒼人に愛されてるんだから!
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