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私は、私の生活からあの二人を消そうとしていた。
電話は着信拒否。
メールアドレスも変えた。
本当なら、部屋も引っ越してしまいたい。
だけど、さすがにそんな余裕は無かった。
静かで寂しいプライベート。
だけど、傷つくよりはずっとましだった。
〓 近々食事に行こうよ 〓
連絡をくれたのは、柳本さんだった。
あの日以来、彼女はこうやって時々連絡をくれる。
結局食事の最後には『本店との食事会はいつなの?』と催促してくるのだけれど、それは私を食事に誘う口実であって、とにかく話を聞いて気分転換させてくれる。
『心配してるのよ』とか直接的に恩着せがましいことは言葉にしないけれど、彼女と居る時は笑うことが出来る。
まさか柳本さんと仲良くなるなんて思いもしなかったけれど、良くも悪しくも人は意外性の塊だと思う。
〓 楽しみです。いつが都合が良いですか? 〓
私は直ぐに返信した。
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