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「柳本さん、絶対ブーケトスすると思うんだぁ。前にブーケトス夢だって言ってたから」
柳本さんのウェディングドレス姿、想像しただけでも美しさにクラクラしてしまいそうだ。
その美しい花嫁が投げるブーケがキレイな弧を描いて、もしも私の元へ飛んできたら・・・。
想像しただけでも興奮してしまう。
「私、ブーケ欲しいなぁ」
ブーケのことなんて、蒼人は絶対興味無いから、特に反応を求めていない私は、殆ど独り言のつもりで喋っていた。
「なに?ブーケ取った人は次に結婚する的なこと?」
聞き流すだろうと思っていた蒼人がクスクスと笑いながら反応する。
「そうじゃないけど、ワクワクするじゃない?」
「あんなの迷信だよ」
「・・・」
もう。男の人ってこれだから・・・。
こういうところに夢を抱きたいのが女の子なの!
って、私も既に『女の子』って年齢じゃなくなったんだな・・・。
私は軽く自嘲して、蒼人の傍に腰かける。
「なあ・・・」
隣の私の肩を抱いて自分の方へ引き寄せた蒼人が、髪を撫でながら話しかけた。
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