第1話

新校舎のトイレ

この太郎さんとトイレの太郎さんが同一視された理由として…。
太郎さんが、亡くなった数日後の事。誰も居なくなった夜の校舎を用務員のおじさんが１人で、点検見廻りをしていた時の話だそうですが、新校舎のトイレに隣接する階段の二階と三階のちょうど踊り場付近に来たあたりで、どこからかチョロチョロと水音が聞こえたそうだ。用務員さんは、生徒の誰かが水道を使用してきちんと蛇口を閉めなかったものだと思い、水音のする場所迄行ってみた。水音のする場所は、
三階の男子トイレの中から聞こえるものだったそうです。用務員さんは、懐中電灯で照らしながら真っ暗な廊下の先の一番奥にある男子トイレへと入る為に、上部が磨りガラスになっているトイレの入り口扉を開けようとした。―その瞬間。磨りガラスの向こう側にオレンジ色のような球体の影が見えたそうだ。