序 ヘタレ女と林檎乙女

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 ヒューマプラントが住む自然界は、4つの季節の世界に分かれている。それでいて、特にヒューマプラントはそれぞれの季節の世界でしか生きる事ができないというわけではない。  ヒューマプラントとは、植物と人間の域を超えた、神聖なる存在なのだ。  今日、春の世界さつき町にある小さな村に侵略者が現れた。 謎の寄生植物のヒューマプラントの手下共、アイビーである。 「アイビーだ!アイビーが来たぞぉぉぉぉ!!」 ある村の周囲を見張っていた男が戻ってくるなりしきりに叫んだ。 アイビーは、包帯男の包帯が全てツルになったといった具合の容姿である。さらに、身体中から変な液体を吹き出しているものもいる。 歩いたり腕を動かしたりする度に、とにかく、四六時中ギシュギシュとグロテスクな音を立てている。  アイビーたちはヒューマプラントを侵食し、自然界を征服しようと目論んでいるのだ。  村人は我先にと逃げていく。一応どのヒューマプラントも多少は戦うことができる。 しかし、相手の見た目云々で殆どが怯み、襲われてしまうのだ。
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