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攻めてきたアイビー軍のリーダーらしきアイビー(その一匹だけ背丈が高いし、唯一喋るからリーダーっぽい)は村の民家を隈なく探り、隠れていた姉妹を捕まえた。
「ヴィーネ様はお茶が飲みたいとの事だ!!ガハハ!」
「は、離してぇぇぇぇぇ!!」
手下のアイビーに捕まった妹は必死にもがいてなんとか振り切った。
しかし、姉の方はリーダーに捕まり、動けないまま。
敵軍の目的は、お茶のヒューマプラントである茶々。そいつさえ置いておけば、毎日気軽にお茶が飲めるという目論みだ。
「茶々姉さぁぁん!!」
さすがはリーダー、腕力は並大抵のものではない。
「……わ、私に構わずアンタは逃げなさい!!」
姉の声は弱り切っていた。
「で、でも!でも!!」
「お願いだから逃げて!!」
「……うっ……えぐ……」
悲しいが、これが姉の最後の願いなのだ。
最後の願いくらい、叶えてあげるべきであろう……。
妹は嗚咽を漏らしながら踵を返して走り去ってしまった。
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