第1章 今日も眠いね…

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「椛ちゃん、なんだか不安になってきたよ…ボクはこの世界で、上手く過ごしていけるのかな?」 まったく知らない世界。 妖怪とかが居て、常識さえも違うかもしれない場所。 そんな事実が、ボクを心細くさせて視界が滲む。 「…大丈夫ですよ」 その時、椛ちゃんが、ボクの手をそっと握ってくれた。 「椛ちゃん?」 「レイは上手くやれますよ。レイはマイペースな男の子ですから…もちろん良い意味で」 「け、けど…」 「それに」 椛ちゃんの左手が、震えるボクの頭に置かれた。 「レイには、私がついてますから」 その言葉が、ボクの目の前にあった不安を吹き飛ばしてくれた。 「…うん!」 まだ、ボクはこの世界の事をほとんど知らない。 ホントにこの先、上手く暮らせるかなんて確証はない。 けれど、ソレはもう不安にはならない。 「ねぇ椛ちゃん」 どうしてかって? ボクに1つ、この世界について分かった事があるから。 「何ですか?」 それは… 「ありがとね。あと…大好きっ!」 椛ちゃんは、とっても優しい! 「…どういたしまして!さて、早く詰め所に行かないと日が暮れますよ?」 「そうだね。急ごっか~!」 ボク達は、しっかり手を握って走り出した。 椛ちゃんと一緒なら、この先が楽しみになってくるよ! 「そうそう椛ちゃん、さっきボクの事を『マイペースな男の子』って言ってたよね?」 「あ、はい。さすがにマイペースって言われるのは嫌でしたか?」 「んと、そうじゃなくてね…えっと言いにくいけど…」 「なんですかレイ?言って下さいよ~」 だって…ね? 「ボクは、女の子だよ?」
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