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「さて…見えてきましたよ」
ボク達が歩いていく先に、幾つかの小屋が集まっている場所が見えてきた。
「あれが…詰め所なの?」
「はい、そこに誰か上司がいるはずなので、とりあえず相談をしてみようかと」
「なるほど~…何でもいいけど、ゆっくり寝たいよ~…」
「それには時間がかかるかもしれませんね…」
「え~…」
いろいろと、やらないとダメな事があるみたいだから仕方ないのかな?
「それじゃ、行きましょうか」
「うん、そうだね~」
そう言った時、唐突に強い風が吹いて、ボク達の周りの木々がざわめいた。
「うわっ!?」
「あ~、ごめんなさいね?急いで飛んできたんで~」
風を纏って空から降りてきたのは、白い服を着てペンと手帳を持った女の子だった。
「また貴女ですか…」
「ども、清く正しい射命丸 文です!レイさんですね?私は新聞記者みたいな事をやってまして~。少し取材させてもらってもいいですかねいいですね写真撮りますよ~はいポーズ!いや~可愛いですね~神様なんですよね?いい子ですね撫でていいですか?よしよし」
「はわわ…何なんですか…?」
「文さん落ち着いて、というか帰って」
この文って人…なんだか記者の人らしいけど突然ボクの頭を撫でてきたよ…しかも話すのがとても早いよ…
「文さん…なのかな?どうしてボクの名前とか知ってるの?」
「あ~、ソレですか?さっき貴女が椛と話しているのを盗み聞き…いやいや偶然にも耳に入ったんで」
「レイ、この文ってのは残念なことに私の知り合いで、趣味はストーキング特技は盗撮、生きがいはスキャンダルを暴露する事という何とも迷惑かつ残念な天狗なんです」
「な、何言ってるんですか!だいたい合ってますけど!」
「文さん、そんな事しちゃダメだよ?」
なんだか、文さんがすごく行動力がある人ってのは分かったよ。
「ほら文さん、レイみたいな小さな子に言われてますよ?」
「ボクを小さいって言わないでよ!」
「ねぇ椛、レイって怒った顔も可愛いんですね…これは連射しないと」
「それには同意します。あ、勝手にレイの写真を撮ってはいけませんよ?現像したら下さいね」
「もう椛ちゃん!」
「仕方ないですね~…今回だけですよ?」
「文さんも~!」
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