~天空翼翔編~

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 九鈴市(くれいし)と呼ばれる街……  僕、天空翼翔はそこに降り立った。 「ここが、九鈴市かぁ……」  僕は周りを見回しながら街を歩いていた。 「綺麗な空気……と、言いたいところだけど……」  不意に感じた気配に、僕は立ち止まる。  すると……  見たことのない魔物に囲まれてしまった。 「これじゃ、せっかくの空気が台なしだ……」  僕は全く動じず、溜め息を吐き…… 「仕方ない……」  そう呟き、白い剣を召喚して構え…… 「かかってきなよ」  そう告げた途端、魔物が一斉に襲い掛かってきた。  そこへ……  遠くから歩いてくる人影が見えた。 「!?」  人影を見て僕は驚き…… 「まずいな……」  急いで魔物を斬るが、どんどんと沸いて来る。  と……  魔物が標的を人影に移した…… 「!?」  慌てて追いかけるが……  っ……間に合わない……  そう思った次の瞬間…… 「久世式・降矢」  そんな声と共に魔物が光の矢で射抜かれていった…… 「!?」 「ふぅ……大丈夫?」  唖然としている僕に、矢を放った人物が近寄ってくる。  小柄だ……先程の声からしても、少女のようだ…… 「う、うん、おかげさまで」  僕は近寄って来る人影に微笑み、そう言った。
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