転機は突然に

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季節は春、と言っても朝はまだ寒い。 桜の蕾もまだ固く、咲くのはまだまだ先になりそうだ。 早朝、新聞配達を終えた私は、肌寒いなか帰り道を走って家に向かった。 「ただいま(ガラガラ)」 玄関を開けそう言うと、妹のアヤメが応えてくれる。 「お帰りなさい、新聞配達お疲れ様!」 「うん、やっさんにまた勝ったわ♪」 「相変わらず足早いね……やっさんバイクなのに(--;)」 「アハハ、職場でのあだ名が韋駄天って女の子としてどうなんだろ。」 女の子らしくないあだ名に少し悲しくなった。 「……普通に配達したら?」 「……何か物足りなくて。」 二人の間に沈黙が流れた。「自業自得か」などと呟きながら玄関を後にした。
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