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宮登と光輝が抱き合う中、春の暖かい風が、そっと二人を包み込む。
「……ずっと一緒だ……宮」
「!」
ふいに耳元に響いた、以前のようにはっきりとした光輝の口調に、宮登は驚いて目を見開く。
だが、次の瞬間、今にも泣きそうなほど顔を歪めると満面の笑みを浮かべ、光輝を抱き締める両腕の力を強めた。
「……あぁ。もう離れないっ」
光輝の背中に回した宮登の手から、一枚のハガキが滑り落ちる。
それは風に舞い芝生の上に舞い降りた。
そこには幼い子供の文字で、こう書かれていた。
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