19人が本棚に入れています
本棚に追加
まぶしい光に照らされ、男は目が覚めた。
いつの間にか、堤防の下、テトラポッドの一つに寄りかかるようにし
て眠っていた。
水平線に、陽が昇っている。
体を起こそうとすると、手に砂の感触がした。
頭が痛い、砂浜に擦り付けられるような痛み。
下半身から尿意がこみ上げてきた。
男はよろめきながらも立ち上がり、ふらついた足取りで堤防の階段を
昇った。
橙色の陽が差した道路を、男は特に用心もせず渡ろうとした。
途端、曲がり角からトラックが近づいてきて、男に迫った。
それに気がついた男は寸前で走り、避けることができた。
「(クラクションすら鳴らさないなんて、ひき殺す気か・・・・・・)」
最初のコメントを投稿しよう!