19人が本棚に入れています
本棚に追加
腹を立てつつも、道路の反対側にあった釣具店へとたどり着いた。
店の扉は開かれ、その前で主人がホースで打ち水をしている。
「すいません、トイレを貸してほしいんですが・・・・・・」
声を掛けつつ男は主人に近づいたが、主人は全く反応せず、男のいる
場所に水をかけ始めた。
男のズボンに水がかかる。
「何するんですか」
それでも、主人は無反応。
「(なんでだ・・・・・・)」
男はそっと主人の背後にしのびより、軽く後頭部をはたいた。
主人は頭を押さえ、戸惑いつつ背後を見る。
だが、すぐ目の前にいる彼の存在がまるで無いかのようにほかの方向
を見渡し始め、やがて首を傾げて打ち水を再開した。
「(さっきのトラックといいこの主人といい、僕がまるでいないかの
ような行動をするぞ・・・・・・?)」
その問題に悩みつつも尿意には勝てず、男は店の中に入った。
最初のコメントを投稿しよう!