代理家庭教師

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アルミのドアをゆっくり開けると意外に大きな音がキイーっとなった。 「っと……驚かすんじゃねぇよ、たく、頼むぜ」 ごまかす様な早口で言ったが、目はすばやく辺りを探っていた。 やっと家の玄関が見えて来た事が嬉しい。しかし、気持を落ち着かせた俺は息を吸って声を張り上げた。 「こんばんは!遅くなりました。」 しかし、返事は帰って来ない。俺はもう一度声を掛けようとしてそこにスイッチを見つけて押して見た。 想いの他小さな音がして俺の緊張を高めた。 やがて人が出て来る気配がして玄関の引き戸が空いた。 「こんばんは! 遅くなってすみません。今日は浜田卓巳が法事で来れないので代理来ました。神代真也です、1日だけですがよろしくお願いします」俺は玄関に入るとまずは、出て来たご両親と奥に隠れる様にしている子供に挨拶をした。 「あらあら 迎えに降りずにすいませんね、もう秋ですから受験まで休ませたくなくて。この子一人だと勉強なんてしないんですよ! よろしくお願いしますね!」 出て来た母親が俺に軽く頭を下げて挨拶をした。 子供と母親は廊下を軋ませながら玄関に歩いて来ると、すぐ手前のドアを開け俺と子供を部屋に通した。
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