異国の地

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「お洒落な建物が多いですね」 雅美は祐輔と一緒に坂道を歩きながら、異国情緒溢れる独特な街並みに見惚れています。 「異人館と言うんだよ。 今は住居に使われるよりも、屋内を見学できるようにしてあったりレストランに改装したりと、観光客向けの仕様に変えてあるがね。 その昔、ここは外国人居留区だったんだ」 「外国人キョリュウク? 」 「そうだ。 ペリーが来航して日本が海外と貿易を始めるようになると、外国から日本に移り住む人達も増えてくる。 しかし、外国人を自由に日本に入れることを拒んだ幕府は外国人の住める場所を港の近くに限定したんだ。 当時の日本は鎖国政策をしていた為、日本人と外国人の住む場所を分けることによって、その接触を制限したかったのだろうね。 外国人は外国人居留区にしか住むことを許されなかったんだよ。 だから、この辺りは西洋式の住居が建ち並んでいて、その住居は異人館と呼ばれるようになったのさ」
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