餅男(モチオ)

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「こんな筈じゃねぇんだよ、どうせ全米デビューするなら海外ドラマに出たいんだよ! ハリウッド映画に出たいんだよ! 餅のCMがウケたからって、ちっとも嬉しくねぇんだよ」 そう言って床に背を付き、ジタバタと暴れまわる。 今や広く豪勢になった控え室は、俺が暴れたところで揺れもしない。 そしてマネージャーの表情も揺れもしない。 「さぁ、司くん。キャンペーンの時間ですよ」 何事もなかったようにそう告げる。 「はぁ、行かねぇよ、餅のキャンペーンなんて!」 吐き捨てるように言うと、マネージャーはガッと俺の頭を掴み、顔を覗き込んだ。 「さぁ、行きましょうね」 満面の笑みでそう告げたあと、眼鏡の奥を光らせたマネージャーにコクコクと頷く。
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