ゆかりと公平

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*** 私は、家の中に通されて座布団を敷かれた畳の床に座っていた。 家自体は普通の日本家屋だが、室内には所狭しと何かの表彰状やトロフィーなどが飾られている。 中には、自慢の息子様が小学生の時のものまである。 まあ、子供や自分の頑張った証を残しておくのはいいけれど、ずいぶんとチャチな、がんばったで賞レベルのものまでデカデカと貼り出されている。 まあ、よほど親バカだったみたいね。 分かってはいたけれど。 「で、早速話を……」 テーブルを挟んで向かい側に座った両親が、待ちきれないと言うかのように、身を乗り出して聞いてくる。 私はゆっくりと、ゆかりについて話を始めた。
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