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しかし、その日から目に見えて、私への待遇は緩和された。
というより、興味が無くなったと言うべきだろう。
私もゆかりもクラスメートも、やはり皆子供なのだ。
子供だからこそ、新しいオモチャが出来れば古いオモチャに用は無くなる。
それだけのことだと思っていた。
しかし、そうではなかった。
公平は、ゆかりに特別何かをされているという風はないし、クラスメートからオモチャにされているということでもなさそうなのだ。
確信が持てないのは、私が一度も鷹取公平に出会うことを許されていないからだ。
私が彼に会うことを、ゆかりは病的なまでに拒否する。
いつもの仮面のような笑顔を崩すことすらある。
いったい、彼にどんな秘密があるのか。
私は、それが知りたくてたまらなかった。
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