シークレット・ガーデン

思いがけない再会

昨夜から急におかしくなった。

生後6ヶ月あたりで、母親から貰った免疫が切れるらしいよと、こないだ地区センターの児童ルームでみんなで遊んだ時、あおいちゃんママが言っていた。

よりにもよって、こんな時に光俊は、1泊2日で札幌へ行かなければならなかった。
3日前に、突然入った急な出張だった。

理亜が母乳を飲んでくれないから、乳房がパンパンに張り、痛くなってきた。

乳腺炎になっては大変だと思い、理亜を電動ベビーラックに乗せ、スイッチを押す。

ラックがゆらゆらと揺れ始め、
『七つの子』のメロディが流れると理亜は大人しくなった。

その間、真彩は搾乳器を自分の乳房にあてがい、懸命に乳を搾る。

理亜以外には、誰もいないから上衣は脱いで上半身裸だ。

母乳は冷凍すれば、使えるらしいが、そんな手間も面倒で、搾ったばかりのそれをキッチンのシンクに捨てた。

ベビーラックの理亜は、眠ってくれたけれど、心なしか何かを我慢するように眉をしかめている気がした。

(やっぱり、具合悪そう…)

普通とは違う愛娘の様子に
真彩は不安でたまらなくなる。