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ディオス達が学校へ向かう30分前ー
ーー天界最深部、神界ーー
「終わりの始まり?裏切り者が何を…まさか、オーバーゼロ!?」
「さすがは天使最上位4大セラフの1人、ラファエル様だね。察しがいい。僕は予言者の言っていた《核(コア)》を見つけた」
ルシフェルは顔を上げ、歪んだ微笑みを見せた。
「聞いたら驚くよ。なんと皮肉にも君があの時手放したものが《核》だった。…いや、手放したからこそ《核》になったと言うべきか。ここまで言えば察しがいいラファエル様ならわかるかな?」
「そ、そんな…まさかそんなことが…」
ラファエルがわずかな動揺を見せる。その隙をルシフェルは見逃さなかった。突きつけられた剣を素手で弾き、一瞬で遥か後ろへ間合いをとる。そして微笑んだまま語りだす。
「ラファエル様でも動揺するんだね?そのまさかだよ。人間界へ繋がる次元の歪みはすでに開いている。人間界は滅ぶよ。天界もそれを望んでるんじゃないの?馴れ合う気もないけど、目的が同じなら邪魔はしないよ。だから邪魔しないでね?今日はそれを伝えにきたんだ」
「戯れ言を…ここに来るまでにどれほどの天使を殺した?それとこれとは話が別だ。貴様には死で償ってもらう」
ラファエルが剣を構え直し、精神を集中すると、体が青白い闘気に包まれる。
「断る」
ルシフェルから笑顔が消えた…刹那
「ホーリーレイ!」
「ロン・ディストーション!」
ラファエルの剣から放たれた光線はルシフェルが立っていた遥か後ろの地面に着弾し、巨大な爆発を起こす。ラファエルは真っ白な空間を見渡すが、すでにルシフェルの気配すら無かった。
「逃がしたか。しかし…オーバーゼロ…」
ラファエルの表情が曇る。
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