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ーー魔界、ハイデン・アクロポリス城ーー
かなり広い敷地だが、松明の灯りだけで照らされた薄暗い部屋。
王座が置かれた目の前の空間が歪み始める。直径2m程の歪みから現れたのはルシフェルだった。
「あーこっちの世界じゃこの身体は息苦しいな」
腰に刺していたナイフを抜き、自分の左の手のひらを傷つける。そのまま手のひらを皿のようにして血を溜めるが、次第に手のひらからしたたり落ちてくる。
「汚れた血で乾杯を」
そう唱えると血溜まりが闇の球体へと変わり、次第に大きくなり、ルシフェルを包み込んだ。
「ぅぐああぁあ………」
苦痛に歪む表情。全身から翼まで黒く染まり、髪の毛は逆立ち、角と牙と爪が生えてくる。その姿は悪魔そのものだった。
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