転生

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「ふぅ…環境適応完了。魔界では天使の姿じゃ力が出せないからなー。これは堕天使の特権だね。今じゃこの姿の方が落ち着くな」 手足の感覚を確かめるように少しだけ動かしていると、この部屋で唯一の、10m以上はある扉が開き、女性の姿をした悪魔が2人入ってくる。 1人はコウモリのような羽で羽ばたく、とても可愛らしい女性。見た目は人間で言えば10代後半のサキュバスである。 もう1人は地面からわずかに浮き、スライドするように移動している。見た目は20代前半、裏地が赤の黒いマントを羽織ったドラキュラである。 「おかえりー!ルシフェルさまー!」 その場に似つかわしくない、元気で明るい声が響き渡る。サキュバスは両手を広げ、ルシフェルの首に抱きつく。 ドラキュラはルシフェルの前にひざまずき、一礼をしてから話し出す。 「ご苦労様でございました、ルシフェル様」
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