62人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅ…環境適応完了。魔界では天使の姿じゃ力が出せないからなー。これは堕天使の特権だね。今じゃこの姿の方が落ち着くな」
手足の感覚を確かめるように少しだけ動かしていると、この部屋で唯一の、10m以上はある扉が開き、女性の姿をした悪魔が2人入ってくる。
1人はコウモリのような羽で羽ばたく、とても可愛らしい女性。見た目は人間で言えば10代後半のサキュバスである。
もう1人は地面からわずかに浮き、スライドするように移動している。見た目は20代前半、裏地が赤の黒いマントを羽織ったドラキュラである。
「おかえりー!ルシフェルさまー!」
その場に似つかわしくない、元気で明るい声が響き渡る。サキュバスは両手を広げ、ルシフェルの首に抱きつく。
ドラキュラはルシフェルの前にひざまずき、一礼をしてから話し出す。
「ご苦労様でございました、ルシフェル様」
最初のコメントを投稿しよう!