終わりの始まり

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ユーホープは王都ラーグの城下町であり、王都ラーグは人間界を統べる世界一の魔法都市である。もちろんユーホープも魔法によって栄えており、魔法学校、魔法研究所、魔道具屋など魔法に関する様々な施設がある。 魔法学校に通う生徒のうち、自宅から通えない者は寮に入る事になる。その寮のうちの1棟、ドライツェーン寮は最も騒がしい寮である。 ーードライツェーン寮ーー 食卓に入ると、寝ぐせでボサボサの頭に丸めがねをかけた少年がすでに席についていた。目玉焼きを…いや、目玉焼きがある場所を固まったままじっと見つめている。 「おはよう、ノイシュタッド」 声をかけるとゆっくりとふりむき、笑顔を見せる。 「あ、おはようございます。ディオス」 挨拶を返されたので僕も微笑み、ノイシュタッドの隣りに腰掛ける。 「ディオスの選択授業は召喚師でしたよね?召喚魔法、うまくいきました?」 「ん~召喚できたけどね~下級精霊と下級悪魔くらいで…天使なんか呼びかけても答えやしないよ」 「召喚できるんですか!?すごいですね!半年で悪魔を呼び出せる召喚師なんて100年に1人の逸材ですよ!」 ノイシュタッドは椅子から飛び上がるほどの勢いで立ち上がった。 「ノイシュタッド、さすがにそれはちょっと大げさだよ」 「そんなことないですよ!召喚師自体、1年に1人出るか出ないかの人材なのに!」 「わかったよ。わかったから落ち着いて椅子に座って」
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