水の精、ウンディーネ

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真っ暗な闇の中、いくつもの淡い緑色の光の線と共に、どこか一方向へ飛ばされていく。 体中のあちこちで、強く圧力がかかったり、またフッと軽くなったりを繰り返し、次第に気分が悪くなってくる。 2人は飛ばされないように、ロムのゴツゴツした岩の脚に捕まっている事で精一杯だった。 ーー精霊界、ナジュの森ーー 広大な面積に広がる、手付かずの森。ナジュと呼ばれるその森の中心にそびえ立つ、世界樹。 その幹は雲の上まで伸びていて、地上からは巨大な傘はシルエットでしか見る事ができない。 世界樹が放つ膨大な魔力により形成されたナジュの森は、様々な木や土の精霊達が集まっている。ロムが支配する土地の一つである。 そのナジュの森の外れの空に、淡い緑色の光が魔方陣を描き出す。 地上10mほどの高さに浮かび上がった魔方陣から、ロムの脚が現れる。 そのままゆっくりと全身を現していき、ゆっくりと着地したはずだったが、その巨体ゆえに地響きが起こる。 近くにいた精霊たちは、驚いて一目散に逃げていく。
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