あの頃

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ

あの頃

   わたし、大きくなったら  もちきれない夢にあいにゆく  ちょっぴりうつむくことも  あるだろうけど    だれもが言うよ  今のうち、若いあいだに 「楽しめよ」って  だけれど どれを信じていいものか  分からないほど 道がキレイだ         楽しくないことがあったね   嬉しくないこともあったね   涙をかくしているのも見えた   それを夢だから仕方ないって   思って歩いているけど     それでいいの?     夢ってやわらかい   夢ってあたたかい    「あの頃はね」って   思い出してはいるものの   ここへはなかなか来てくれないね     なんか遠くへ   行っちゃったみたいだ        いいにおいがする  商店街をゆく  さまざまな元気が  交わされているうちに  また前を向いていた、わたし    わたし、大きくなったら  もちきれない夢にあいにゆく  だれかの号令なんか  他所(よそ)にして  気持ちのいい この風のことを  たった1人に知らせにゆくよ    その1人が  まだ誰なのかは分からないけど  そうやって  まだ見ぬ未来を身近にしたい    横断歩道を渡りきっても  振り向けば  いつでもちょっと駆け出すだけで  さっきの気分に帰られるような  そんな0(ゼロ)を  さがしてみたい    あんまり遠くに行きたくないんだ (2013.06.06)
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!