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?「久し振りだな、寿」
相手の男は笑いながらそう言うと、ポケットから潰れたタバコの箱を取り出してそこから一本タバコを抜き取る。
そして自分と同様に火を灯した。
?「優も来てたのか」
自分も相手の名前を言って確かめると、間違いはない様子。
この男は優(マサル)といって、この地元で漁師をやっている。
そして優ではなく、三回忌で疑問を抱いていた者は寿浩(トシヒロ)という。
地域の原子力発電所で働いている。
二人とも、三年前に亡くなった者逹の中学の同級生である。
優は、家が漁師をやっているため、高校へは行かずにそっちの道へ進み
寿浩は幹太と共に工業高校へと進んだ。
優「──あいつらが死ぬなんてな」
遡るは三年前になるが、中学の同級生が何人も死んだんだ。
未だに信じられない気持ちも大いにわかる。
寿浩「有り得ない。そんなはずないのに」
優「寿、お前何を知ってる?」
優から投げ掛けられた謎の質問。
傍目から見ればそうだろうが、寿浩にはその意味がわかっていた。
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