14人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
その日から、彼女の『計画』が始まった。
最初は身だしなみである。
いつも、仕事が終われば泥のように眠り、起き、仕事をして
――を繰り返していた。
そのサイクルに、水浴びの項目を加えた。
深夜、皆が寝静まった後、釣瓶を繰り、井戸の水を浴びる。
晴れていようと雨だろうと、お構いなしに水を被り、全身を拭う。
彼女はまず、灰かぶり姫をやめることから始めたのだ。
寝る前、起きた後。
習慣も一つ加えた。
鏡の前に立ち、「私は美しい」と百回、心の中で唱える。
他人から見ればバカバカしいこの行為を、彼女は大真面目に続けた。
そしていつの間にか、自分が本当に美しいと思い込むようになり、挙措に自信が満ち溢れ始めたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!