Episode.1「不思議な出会い」

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そう……この日の帰り道がすべての発端だった…。 「なぁ、奏。呪いの映像って知ってるか?」 「最近話題になってるやつだよな。それがどうかしたか?」 「なんでもネットに転がってる動画らしいんだけど、見たら死ぬらしいんだ」 「どこのホラー映画だよ。いくらなんでもありきたりだ」 「それがどうやら嘘じゃないらしいんだ」 「どういう意味だよ?」 「昨日ネットで調べてみたんだけどな?一つ怪しいサイト見つけたんだよ」 そういって友人の蓮はURLが書かれた一枚の紙を渡してきた。 「んで、この件は俺に丸投げって訳だな?この根性無し(笑)」 「笑うなよ、だって奏こういうの得意だろ?真相が知りたいけど怖いからさ、だから頼む」 「ったくしょうがねぇな……わかったよ。今夜調べといてやる」 「じゃあ頼むわ」 「あぁ、俺もう行くわ。じゃあな」 そういって俺は蓮と別れ帰宅した。 家に帰っても誰もいるはずがない、俺は現在一人暮らしをしているからだ。 高校が実家から離れているので、それよりも高校が近い、両親が所有する別荘に住むことになったのだ。 俺はリビングに向かいPCを立ち上げ、検索欄にさっきのURLを入力した……すると次の瞬間PCの画面が真っ黒になり、しばらくすると動画が始まった。 映っていたのは一つの綺麗な浴槽だった。 「なんだこれ?」 意味が分からなかった。 こういう話のお決まりといえば古井戸が定番だ。 なのに映っているのは浴槽、しかも凄く綺麗な……。 何度考えても意味が分からない。 必死に考えを巡らせていると画面の浴槽に変化が表れ始めた。 「ヤバ……」 浴槽内から白い手が伸びる、そして浴槽から白い服を着た髪の長い少女が姿を現した。 どんどんこちらに向かって来る。 正直、俺は死を本気で覚悟した。 それはこの直後、杞憂に終わることになるとは知らずに……。 とうとう画面内から手が出てきた。 そして顔が……次は上半身……・。 (イヤだ!!!……死にたくない!!!!!) 頭の中で必死に言い続けた。 「イタっ、おしりがつっかえちゃった。ねぇ君、ちょっと引っ張ってくれないかな?」 「わ、わかった」 ………………ホントに訳が分からない。 あろうことかその少女は俺に話し掛けてきて、しかも協力を求めてきた。 それで言われるがままにする俺も俺だけど…。 とうとう画面内から全身が出て来て、俺の上にのしかかった。 ………どうやら実体はあるらしい。
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