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伊勢は無駄に心の中で作戦を説明し始める・・・・・
――――作戦はこうだ・・・・
とにかく100円で安い切符を買う・・・・・
その切符を使って通ったふりをする・・・・・というセコイ作戦である――――
伊勢は説明しているが、安い切符を買うだけであり、さっきの少年達の作戦と変わりない・・・・・
「まぁとにかくこの切符で通るかな・・・・」
100円使えるので最初は普通に通る・・・・・
子供料金なので、バレないように急いで歩く・・・・
すぐに電車に乗り、座る・・・・
目的地に近づく度に、伊勢の心臓の音が速くなる・・・・
・・・・・・・・・・・そして・・・
目的地に到着する・・・・
電車を降りた伊勢は、冷静さを失っていた・・・
「本当に行けるだろうか・・・・実は駅に入る時からバレてたりして・・・・」
・・・・・・・その時だった・・
なぜか駅員がこっちに歩いてきたのだ・・・
伊勢の心臓はバクバク・・・・
足は震え・・・・
手には汗・・・・
しまいには立ち止まってしまう・・・・
伊勢は心の中で『通り過ぎろ!』と祈る・・・・
しかし、駅員も伊勢の目の前で立ち止まる・・・・
「どうしたんだ?君・・・」
「え?いや・・・・・その・・・・・」
「これ・・・・・君のだろ・・・」
「ハイ!すいませんでした!・・・・・って・・・ん?」
駅員の手の上には伊勢の財布が乗っていた・・・・・
「・・・・・諦めが早かったかな・・・」
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