第八話 準備

7/8
258人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
伊勢は無駄に心の中で作戦を説明し始める・・・・・ ――――作戦はこうだ・・・・ とにかく100円で安い切符を買う・・・・・ その切符を使って通ったふりをする・・・・・というセコイ作戦である―――― 伊勢は説明しているが、安い切符を買うだけであり、さっきの少年達の作戦と変わりない・・・・・ 「まぁとにかくこの切符で通るかな・・・・」 100円使えるので最初は普通に通る・・・・・ 子供料金なので、バレないように急いで歩く・・・・ すぐに電車に乗り、座る・・・・ 目的地に近づく度に、伊勢の心臓の音が速くなる・・・・ ・・・・・・・・・・・そして・・・ 目的地に到着する・・・・ 電車を降りた伊勢は、冷静さを失っていた・・・ 「本当に行けるだろうか・・・・実は駅に入る時からバレてたりして・・・・」 ・・・・・・・その時だった・・ なぜか駅員がこっちに歩いてきたのだ・・・ 伊勢の心臓はバクバク・・・・ 足は震え・・・・ 手には汗・・・・ しまいには立ち止まってしまう・・・・ 伊勢は心の中で『通り過ぎろ!』と祈る・・・・ しかし、駅員も伊勢の目の前で立ち止まる・・・・ 「どうしたんだ?君・・・」 「え?いや・・・・・その・・・・・」 「これ・・・・・君のだろ・・・」 「ハイ!すいませんでした!・・・・・って・・・ん?」 駅員の手の上には伊勢の財布が乗っていた・・・・・ 「・・・・・諦めが早かったかな・・・」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!