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アスカもまた新たに生えてきた光り輝く脚と右腕を、不思議そうに、左手でさすっていた。
そして、自分の腹にささやいた。
「……薄々気づいていた。くれたのね。あなたが……」
兼ねてから感じていた腹の重みは、ほんの僅かに減っていた。
一方、クラウドは蛇をわらわらと蠢かせ、混乱していた。
「理解できない……お前は、お前は何なんだ!」
クラウドは立ち上がると、床に蛇を這わせ、アスカに向けた。
アスカは右脚で地面を蹴ると、信じられない跳躍力を見せた。
アスカは蛇の群を避け、クラウドの目の前に立った。
そして、アスカは手に持ったそれをクラウドの目前に掲げる。しかし。
「……させるかぁ!」
クラウドの蛇が、アスカの手首に巻きつく。
アスカの手には、濡れた氷の欠片があった。
クラウドは氷を見ないようにして、アスカを睨んだ。
「濡れた氷を鏡にして、このクラウドを石にしよって魂胆! 見え見えなんだよォ!」
クラウドの蛇がアスカの全身を這い、四肢に巻きつく。
強力な右腕と右脚を手に入れても、シダのように絡まる蛇は柔軟で途方もなく丈夫だった。
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