483人が本棚に入れています
本棚に追加
「健吾さん、わがまま言ってもいいですか?」
健吾さんがちょっとだけ眉をひそめた。
「何だ?」
「帰りたいです。夜ここに一人でいるの嫌です」
こんな事を言うとただでさえ心配している健吾さんを更に心配させてしまう事は分かっていたけど、ここで一人でいるのは我慢できないかもしれない。
「うん。帰ろう。俺から言おうと思ってたんだが、美弥子も帰りたいならちょうど良かった」
「へ?」
「実はもう医者に相談して許可は貰ってるんだ。まあダメって言われたら、ここに泊まるつもりだったんだが」
健吾さんが病院の簡易ベッドで寝る姿を想像して思わず首をぶんぶん振った。
似合わない。と言うか足がはみ出しちゃうだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!