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「べつに……。思ってません」
ぷいっと横を向く。
「石崎……。あなた、大事な事をわざと言ってないんでしょ」
聞き覚えのある声に、頭をあげると、麻衣子さんが病室のドア近くに立っていた。
「ちっ」
ええっ! 健吾さん、今、舌打ちしましたよね? なんで舌打ち。
「邪魔しないでください。無事を確かめ合ってるんですから」
「もう30分も外で待ってたのよ。それに美弥子ちゃんはその髪のまま石崎には会いたくなかったでしょうに、止めても聞かなかったのはどこのどなたかしら?」
ヒッ。ケンカしないで下さい麻衣子さん。
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