483人が本棚に入れています
本棚に追加
「終わったわ。どうかしら?」
「ありがとうございます」
「彼氏、石崎さんだったわね? 呼んでくるわね」
美智子さんはにっこり笑って病室からでて行った。素敵な人だなあ。いくつくらいなんだろう? 年齢を聞くのは失礼な気がしたので聞けなかった。鏡をもう一度見る。うん悪くない。
「よく似合ってるよ」
「実は短くするの初めてだったんです」
病室に戻ってきた健吾さんは慣れ親しんだ仕草で私の頭を撫でてから、親指で私の目尻を拭いた。
「泣いたのか?」
「ちょっとだけ」
目が赤かったのかな。バレちゃった。
最初のコメントを投稿しよう!