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「美弥子! しっかりしろ」
その声で目が覚めた。ここは? 病院?
体を起こそうとしたら、夢でさんざん追いかけた人に止められた。
「起きなくていい」
「健吾さん……。本物?」
健吾さんはクスッとわらって私の手を握った。手首にはくっきり縛られた跡がついていて、あの悪夢みたいな出来事がやっぱり現実だったんだと思い知る。
「中山も今日本に戻ろうとしてるから」
「お姉ちゃんが?」
「ああ。五十嵐は命びろいしたな。もし美弥子に何かあったら、俺と中山の分二回死ななきゃならないからな」
うっ。この二人ならやりかねない。
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