502人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「優衣ちゃん、ごめん、電車に乗るから」
「わかった。ねえ、写メ必ず送ってね」
「ええ! うーん。健吾さんがいいって言ったら」
絶対だよ! と念を押して、優衣ちゃんは電話を切った。
実はね、昨日、指輪を貰いました。普通に朝ご飯の合間に。
いつものようにチョコレートをくれるようなノリで。明らかに身分不相応な気がする指輪に怖じ気づいていたら、
「こればっかりは買い替え不能だからな。三十になっても四十になっても同じのをもってなきゃいけないんだぞ?」
そう言われて、ああ、一生ものってそういう事かと妙に納得した。
最初のコメントを投稿しよう!