親族対面-2

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「人から見て苦労だと思われてしまいがちな事を、何でもないって、いい切れちゃうのはタフな人。最近の若い子はすぐ不幸になりたがるのに感心ね」 健吾さんのお母さんにそう言われて、私は安心した。 お姉ちゃんが、自分の身の上に苦労とか、不幸とかをトッピングする事なんて、ありえない。 「それは、そうと、結構二人とも年の差あるけど、美弥子ちゃんはそこに不安ない?」 結婚会見する芸能人にリポーターが、貪るように質問を何種類もするように、健吾さんのお母さんは今日は徹底的に、色々訊きたいみたい。 年の差。気にした事ないって、言ったら、嘘になっちゃう。 健吾さんにとって、私って子どもっぽ過ぎるんじゃないのかな? とか。 ちょっと、他にもあるけど、口に出して言うような事ではない気がする。 私はほんの少し間を蓄えてから、ないです。と小さく答えると、健吾さんのお母さんはすぐ話題のトピックを変えてそれに対応するのに追われていたから……。 まさか健吾さんが、年の差の質問から、しばらく怪訝な顔になっていた事なんて気づいていなかった。 .
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