親族対面-2

20/32
前へ
/32ページ
次へ
「は、初めまして」 優衣ちゃんは顔を真っ赤にさせてしどろもどろになりながら、健吾さんの……。優衣ちゃんの場合は透吾さんのご両親になるのか、に挨拶している。 「まあ、詳しくは、食事をしながら話しましょ。みんなお腹が空いてるだろうし」 健吾さんのお母さんはそう言ってお店の人を呼んだ。 「け、健吾さん、この量、本気ですか?」 前菜と、スープを食べきる前に、次から次へと料理が、並ぶ。円卓に乗り切らなくて、ワゴンに北京ダックまで、鎮座している。 私が健吾さんだけに聞こえるようにはなすと健吾さんは笑った。 「うちの母さんは、痩せてるけど、大食いなんだ。見てろ面白いから」 健吾さんのお父さんが気持ちよくビールを呑みながらちまちまつまんでるのに、対して、お母さんは、食事の仕方こそ上品なんだけど……。 再生速度が三倍くらいありそうな程スピーディー。 しかも、みんなに話をまんべんなく振りながら。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

739人が本棚に入れています
本棚に追加