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「え?」
「えっと……。順番的に、健吾さんの方が、先に死んじゃいますよね? その後、私お母さんみたいにならないかなとか? 寂しいだろうなとか思うと、不安だし、ちょっと不満です」
健吾さんはしばらく、きょとんとしてから、ゲラゲラと笑い出した。
「美弥子はずいぶん先の事を考えてるんだな」
「え。でも、寂しいなだろうなと思って、どうしてもそこひっかかっちゃいますけど、変ですか?」
「いや、変じゃない。変じゃないけど、嬉しい。俺はジェネレーションギャップとか、もっと他の事とかで、心配してるんだとばかり思ってたから」
「それはないです」
私がそう言うと、健吾さんは私の手を引っ張って自分の腕の中に入れてしまった。
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