7 群青

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「お幸せだったのですね」  そうして目を開けながら、泰時は呟いた。  そう。  たとえ短くても。  残された日々を、あの二人は幸せに生きたのだ。 「ええ……泉も、そう申しておりました。私は、幸せだったと」  小太郎の言葉を聞いて、伯母は涙を一筋流した。  そして目を開けて、小太郎が抱く赤子に手を伸ばした。 「泉の願い、しかと受け取りました」  そして、赤子を受け取りながら、言った。 「どうかよろしくお願いします」  小太郎は、そんな政子に頭を下げる。 「それから、泰時殿にお願いがあるのですが」  小太郎は、泰時の方に向き直って言った。 「何でしょうか?」 「あの子の二つ名を、どうか付けてやってください。それが、泉の願いでした」

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