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T大学付属病院…
ここに俺がいるというのか…
一週間前の記憶を辿ると、ズキズキと頭が痛んで、結局、思い出すことが出来なかった。
恐る恐る里美の入った病室を覗く。
そこには…
紛れもなく俺が横たわっていた。
沢山の管や点滴に繋がれ、静まり返った病室には、里美の啜り泣く声と、無機質な機械音だけが鳴っている。
里美の肩に手を置こうとしても、やはりすり抜けてしまった。
「もう、このままずっと里美に触れることすら出来ないのか…死ぬのか…俺」
そう思った瞬間、止めどもなく涙が溢れ、自分の行動の浅はかさを思い知らされた。
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