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「一目見て、運命を感じました! あなたをもっと知りたいです! 付き合ってください!!」
とある河川敷の土手の上。たった今、1人の男子の勇気を振り絞った告白が行われていた。
相手の女子は、戸惑っているが、その表情からは喜びの鱗片が感じられた。男子は、その表情を見て勝利を確信し、微笑みを零す。
女子はそれをみて頬を染めた。
女子は意を決したのか、右頬にかかる焦げ茶で長い髪を掻き上げ、息を吸い込んだ。
そして、みた目通りの可愛らしい声を張り上げた。
「ごめんなさい!!」
その場には、暫しの静寂が漂った。
想像していた返事と違うことに呆然とした男子は、ジワジワとダメージが来たのだろう。瞳にうっすらと涙が浮かんでいた。
そして、頭を振った際に落ちてきた髪の毛で隠れた女子の表情には、申し訳なさは微塵もなく、満面の笑みが溢れていた。
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