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俺の名前は 雪寺 銀河【ユキジ ギンガ】。皆から白雪姫と呼ばれてる。なんか、苗字に雪が入っているのと、色白で童顔だからだそうだ。
誠に遺憾である。いやマジで。
そして俺は再びキュッキュッと手に持つスケッチブックにマーカーを走らせる。
『夕方の土手とか青春ドラマかよ』
そう、俺は今喋らずに筆談している。
何故かって? まあ、それは追々…ね。
「あれ? 俺、夕方の土手で告ったって言ったっけか?」
あ。
茂武はうーんと小首を傾げている。
「確かに、モブは言ってなかったな。」
雅哉【マサヤ】もメガネをくいっと上げ、顎に手を添えながら考え始めた。
やらかしたな。ええ、これはやらかしました。これは絶対墓穴掘ったな。俺の秘密が…バレる 。
それ以上考えられるのは危険と思った俺は、なんとか話を反らそうと考えた。が、
「ってか、テラ青春ドラマw土手とかないわww」
「ちょwww そんなこと言わないでくださいよガヤさんwww 青春の1ページ☆ってやつ?ww って言うかモブって言うなしw なんか悲しいww」
「うっぜwww だったらお前もガヤって言うなよw」
そんな心配は必要無かった。
俺は、雅哉が疑問よりも茂武をイジる方を優先してくれた事に密かに感謝した。
はぁ、深く追及しないやつらでよかった。
いや、こいつらがバカでよかった。
しかし、念には念をだ。変に感づかれたら困るしね。
『その、モブが告白したのは俺の妹だ。だから知ってたんだ。』
「なるほど…確かに言われてみれば面影があったな。」
「そういやお前妹居たんだっけ。見てみてーな」
雅哉の発言に対し、俺はスケッチブックに大きく書き込む。
『だ が 断 る。』
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