■カレー作り

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利一は嫌な予感がしてきた。 「実はね、食べ切ったと思ってたんだけど ルーとお米がまだ残ってたのよ」 「『皆が食べ終わったら』が聞いて呆れるな」 「…何か言ったかしら?」 姫野さんは鋭い眼光をコチラに向けてきた。 彼女の睨みは相変わらず怖い。 利一は思わず体がすくみ上がった。 「な、何でもないよ。 で、どれくらい余ってるんだ?」 利一が質問すると、 姫野さんの“ヘビ睨み”は解除された。 「そうね、大体一杯分って所かしら。 どう?食べれそう?」 「あ~、 さっきからお腹と相談してるんだけど ちょっとキツそうかな」 「あらそう、 じゃあ雪ちゃんにお願いしようかしら」 「…え…?」 今まで静かだった相瀬さんは 体をビクッと震わせた。 自分に振ってくるとは 思ってなかったのだろう。 「いやいや、待て待て。 相瀬さん以外にも梅坂とか居るじゃんか」 あと、姫野さんもな。 最後の部分だけは口に出さずに言った。 これ以上睨まれたくは無い。 「だってあたしと梅坂くんの 食器は洗っちゃったから 残ってるのは貴方と雪ちゃんだけなんだもの。 雪ちゃんのお皿は埋まってるし キイチくんの食器を使って 間接キスするのもちょっと…ねぇ」 姫野さんはコチラを流し目で見てきた。
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