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利一は嫌な予感がしてきた。
「実はね、食べ切ったと思ってたんだけど
ルーとお米がまだ残ってたのよ」
「『皆が食べ終わったら』が聞いて呆れるな」
「…何か言ったかしら?」
姫野さんは鋭い眼光をコチラに向けてきた。
彼女の睨みは相変わらず怖い。
利一は思わず体がすくみ上がった。
「な、何でもないよ。
で、どれくらい余ってるんだ?」
利一が質問すると、
姫野さんの“ヘビ睨み”は解除された。
「そうね、大体一杯分って所かしら。
どう?食べれそう?」
「あ~、
さっきからお腹と相談してるんだけど
ちょっとキツそうかな」
「あらそう、
じゃあ雪ちゃんにお願いしようかしら」
「…え…?」
今まで静かだった相瀬さんは
体をビクッと震わせた。
自分に振ってくるとは
思ってなかったのだろう。
「いやいや、待て待て。
相瀬さん以外にも梅坂とか居るじゃんか」
あと、姫野さんもな。
最後の部分だけは口に出さずに言った。
これ以上睨まれたくは無い。
「だってあたしと梅坂くんの
食器は洗っちゃったから
残ってるのは貴方と雪ちゃんだけなんだもの。
雪ちゃんのお皿は埋まってるし
キイチくんの食器を使って
間接キスするのもちょっと…ねぇ」
姫野さんはコチラを流し目で見てきた。
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