186人が本棚に入れています
本棚に追加
利一は水筒からお茶を飲んだ。
こうすると、
少しはマシになる気がする。
ココでキャピキャピ大学生教師、
安西先生がマイク片手にたち上がった。
≪は~い、みんな注目~!!
雲ヶ原駅に到着したけど2,3説明があるから
先生の話しを聞いてね~!
あと、隣の人が寝ていたら起こしてあげて~≫
利一は先生の指示に従い、
相瀬さんの小さな肩を揺する。
すると、
彼女の澄んだ瞳が小さく開いた。
「よお、着いたから起きな」
「…ココ…どこ…?」
言いながら相瀬さんは
小さな口を一生懸命開けて欠伸をした。
「そうだな、
観光バスの中ってのは確実だ」
「…そんなの…知ってる…」
相瀬さんの眉がクイッと上がった。
「冗談だよ、ココは雲ヶ原駅だ。
今日のメインイベントの会場だぜ」
「ふぅん」
相瀬さんは目を擦りながら
吐息の様な返答をした。
質問した割りには、
興味が無さそうな反応である。
いつも通りだな。
利一は頭の中で呟きながら
安西先生に目を向けた。
≪さぁて、これからはお待ちかね、
班での自由行動が始まりま~す!≫
ココで生徒達から歓声が上がった。
みんな楽しみにしていたのだろう。
…オレはお腹がイマイチだから
あそこまで盛り上がれないけどな。
最初のコメントを投稿しよう!