師匠と可能性

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「フラン帰ろうぜー」 「どっか寄ってくー?」 「私は大丈夫よ」 「私もです」 放課後になった。 トウマ達が帰ろうと言ってくるが、これから俺はジャル先生に会わないといけない。 だから断らないと。 「ごめん。 今日用事あるんだ。 遅くなるから先に帰ってくれる?」 「一緒に帰るのは無理でもさ、後で合流できない?」 そう言ってくるアリス。 うーん……どれくらい時間かかるか分からないけど、長期戦になるかもだから断らないと。 「ごめん。 それも無理かな。 また誘ってよ!!」 「ふーん……ま、用事があるならしょうがないわね。 次は一緒に行きましょう」 「うん。 また誘ってよ」 「じゃぁ、オレ達帰るなー」 「また明日ねー」 「次は是非ご一緒しましょう」 そう言ってアリス達は帰って行った。 それを手を振りながら見送る俺。 本当に良い人達だなぁ。 「さて、こうしちゃいられない。 早く職員室に行かないと」 俺はカバンを持ってすぐに職員室に向かった。 あぁ……緊張してお腹痛い。 大事にならないといいけど難しいだろうなぁ。 そう考えながら歩く俺。 気のせいか歩いているスピードも遅くなっている気がする。 でも、遅くなったとしてもいつかは着いてしまうわけで……。 「はぁ……職員室が違う何かに見えてきた」 俺の目の前には職員室。 中には沢山の先生と生徒。 気が滅入る。 でも、ここで職員室に入らないと始まらない。 …………ええぃ!! どうにでもなれや!! 俺は勢いよくドアを開けた。 そして、コーヒーを飲んで鼻歌を歌っているジャル先生を見つけ、早足で近付いた。
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