師匠と可能性

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「さて、そろそろ組手は終わりにして幻術の修行に入ろうかのう」 「りょうかーい」 ああ……組手全然ダメだったなぁ。 やっぱりヒマワリ強いや。 「うむ。 では幻術の基礎練をしようぞ!! 今日で座学は最後じゃからのぅ!! 気を引き締めて聞くのじゃ!!」 「りょうかーい」 この一週間、幻術の修行では座学しかしていない。 ヒマワリ曰く、まずは幻術とはどういうものか知ることが必要らしい。 まぁ、座学のおかげであまり知らなかった幻術のことが学べたから全然いいんだけどね。 「うむ。 では、最後の座学は『幻術の本質』についてじゃ!!」 「幻術の本質?」 「うむ。 幻術は魔力を使うわけではないということは知っておるじゃろう?」 「うん。 知ってるよ」 「なら、幻術を使う為には何が必要か知らないはずじゃ。 だから、今日おしえるのじゃ!!」 「ふむふむ」 正直、魔力以外のものを使って幻術を発動させるって言われてもピンとこないんだよなぁ。 「では、幻術を使うときに必要なものを教えようぞ!! 必要なものはズバリ!! 『マナ』というものじゃ!!」 「……マナってなに?」 聞いたことないんだけど……。 「マナとは植物や、水、空気などから出ている力のことじゃ!!」 「力?? 魔力とは違うの?」 「うむ。 魔力を使う為にはある臓器が必要なのは知っておるじゃろう?」 「あぁ、『魔力臓器』ね」 魔力臓器とはそのままの意味で、魔力を使うときに必要な臓器のことだ。 この魔力臓器の役割としては主に、魔力を変換して魔法を使えるようにしたり、魔力に悪い影響がある成分を分解するなどがある。 その魔力臓器は生物ならみんな持っている物で、これがないと魔法が使えない。
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